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電車とかコスプレとか同人とかいろいろ。
Posted by - 2025.04.05,Sat
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Posted by 雨宮 雛子 - 2013.01.01,Tue
あけました。
今年もよろしくお願いしていただけたら幸いです。

てわけでお正月SS。
読みなおし修正しないままUPする勇気…!
いつもなら3回はするんですが気力がわかぬ!(開き直り

まぁ今年もこんなテンションでいきます。うん。
ゆるゆる甘甘てんしょん。
変わり映えしないとかイワナイデー。

それではよろしい方は続きからドウゾ…




『朝一で止まってやんのwwwだっせwwwwwwww』

 終夜運転を終えて報告書も出し終え、更衣室で私用の携帯電話を開くと新着メールの一番上にそんなメールが届いていた。差出人の名前を見て少し心を躍らせたオレが馬鹿だったとつくづく思う。アイツがいちいち年始の挨拶のメールなど寄越すような性格ではないことくらい分かっていたのに。
 ただでさえほぼ徹夜状態で疲れているというのに嘲笑メールに構っていられる心の余裕はなかった。若干の苛つきを覚えながら『自分だって昨日ひどかっただろう。棚に上げるな』と返信して携帯を更衣室の脇に据えられたソファーの上に置く。ロッカーの鍵を取り出し、鍵穴に差し込んだところで携帯が震えた。随分早い返信だ。どうせ碌なことは書いていないに決まっている。今度は期待などしないよう心がけて再び携帯を見る。

『去年の話持ち出さないでくれるーwwwwwwwwwwww』

 何が去年だ、昨日の話だろうが、と思ったが返事をするのもだんだんと馬鹿らしくなってきてそのままメールアプリを終了させ、鞄の中に放り込む。ちりん、と携帯に付いた鈴が一度だけ大きく音を立て、その後は周囲に沈黙が降りた。
 誰も直前に使った形跡のない更衣室は、静寂に包まれて一層冷え込んでいる気がした。上着を脱ぐと肌を滑る冷気に体がぶるりと震えたが、どうせものの5分もせずに着替え終わるのだからそれだけの為に暖房を入れるのも勿体ない。さっさと着替えて宿舎の部屋に帰って休もう。去年と同様にコンビニあたりで何か腹に入れるものでも買って、少し仮眠を取ろう。
 今日は別に約束をしているわけでは無いから、アイツは既に部屋で休んでいるのだろう。暖かい部屋のベッドで横たわりながらにやにやとこちらを馬鹿にするメールを打つ姿が目に浮かぶようだ。
 それにしても大体なんだってアイツは朝からあんなにテンションが高いんだ。アイツだって終夜営業で徹夜だろうに。アイツに言えば間違いなくジュニアが爺なんだと返してくるに決まっているが。大して年齢は違わないくせに。あのテンションには正直ついていけない。

「えー?漸く仕事終わってジュニアといちゃいちゃできるから?」

 そうそうそんなしおらしい事でも言ってくれればこっちも嬉しいってものだ。疲れた体にそんな甘い言葉を吐かれたら放したくなくなるな。しかしやばいな、幻聴か。オレは相当眠いらしい。
 オレは思わず苦笑する。何だかんだ文句を言ってはいるが結局仕事が明けたらアイツのことばっかり考えてるじゃないか。今年もきっと変わらずこんな風に過ごしていくんだろうなぁ。それはそれで、幸せなのだろう。

「何一人で笑ってんだよきっめぇ」

 そうそうそっちの方がアイツらしい。心底軽蔑したような眼を容赦なく寄越してくる様が目に浮かぶ。幻聴くらいもっと甘くてもいいと思うが、甘いだけのアイツなんて別物な気がする。華奢で可愛らしい風貌の癖に喧嘩っ早くて男らしい、それがアイツで、自分が好きになった奴なんだ。我儘を言ってはいじらしく甘えてみせ、更にそこから手痛いしっぺ返しを食らわせてくる。そんなアイツに踊らされている感はあるが、いつの間にかそれも心地よいと思うようになってしまった。

「うっわくそ寒い」

 別にいいだろうが。それが本心なのだから。馬鹿にされる謂われはない筈だ。何でオレはアイツが好きなんだろうとか、何でアイツはオレなんだろうとか、疑問に思うことも稀にどころか頻繁にあるが、それでも理屈じゃなくアイツじゃなきゃ駄目なのだ。隣に体温を感じると安心するのはアイツなんだ。
 ああ会いたいなぁ。会って抱きしめて、あの減らず口を塞いでやりたい。一筋縄でいくような奴ではないが身長差で追いこめばそれは決して難しいことではない。

「無視してんじゃねーよこのブラコン」

 怒気を含んだ声と共に、背中に衝撃が走った。腹の方まで伝わってきた振動に、思わず体を丸くして蹲る。痛みに耐えながら後ろに視線をやると、パーカーのポケットに両手を突っ込んで不機嫌そうにこちらを見下ろしてくる紫頭があった。

「じょう…ばん…」

 その名前を口にすると、常磐はハンッと鼻を鳴らし、こちらから視線を逸らした。

「いつから此処に…」

「はじめからに決まってんじゃん。折角着替えて待っててやった恋人の存在に気付かないとかマジひどいよねーありねーよなー」

「だったら話しかけてこいよ」

 痛みが鎮まってきたのを確認し、ロッカーに手をついて立ちあがる。

「大体挨拶も無しに新年早々人を蹴りあげるとかどういうことだ。お前だっていい年なんだからそれくらいの常識と礼儀は身に付けろ」

 一瞬不機嫌そうな目で一瞥をくれたかと思うと、こちらが二の句を告げる前に髪の毛を乱暴に掴まれ、ぐいっと引き寄せられた。唇にじんわりと暖かい感触がぶつかる。それに反して後頭部に感じる手の平はひんやりと冷え切っていた。どれくらい暖房をつけずにこの部屋にいたのだろう。常磐は寒さには強い方だし屋外ではないとは言え、長時間居ればここの寒さだって結構堪える。
 引き寄せられた時の性急さとは反対に、ゆっくりと唇が離れた。丸く大きな目の中に映った自分の顔は狼狽と照れ臭さでひどく間抜けな顔をしていた。

「あけおめジュニア」

「……何すんだ…」

 こちらをまっすぐと見つめてにやりと笑う常磐に、返せた言葉はそれだけだった。

「ジュニアのその説教臭い口と、あとこっぱずかしい口を塞ぎてえなって思っただけー」

「お前…まさかさっきの聞いて…」

「えー何の話ー?」

 まさか声に出ていたのか…?誰もいないと思っていたから気が抜けていたのは確かだ。だとしたらどこからどこまで聞かれていたのだろう。相当恥ずかしい事を考えていた記憶があるのだが。
 しかし聞き出そうとしたところではぐらかされるかそれをネタに遊ばれるだけだろう。ぎゅっと一度目を閉じ小さく溜息をついた。今年一番初めの溜息も去年と同様結局コイツに持っていかれた。常磐に対しては溜息をついてばかりだ。

「帰るか」

 発した言葉に常磐が大きな目を更に見開く。何も言い返してこなかった事が意外だったのだろう。床に置いてあった常磐の鞄を拾い、呆けたままの常磐に押し付ける。触れたその手はやっぱり芯まで冷え切っていた。耐えれない場所で待ってるなんて殊勝なことをする奴ではないからこんな寒さ平気なんだろうとは思うが、やはりそれは嬉しくて、そして早く他人の目の無いところで存分に抱き締めたくて仕方がなかった。
 繋がるまではまだ少しかかるけれど、今年もこうやって悪態をつきながらも隣に居られたら、冷たさの残った指先にそんなことを考えた。






帰ったら二人で存分に炬燵でいちゃいちゃしたらいいよ…!

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文字書きです。たまに絵も描きます。
電車とかコスプレとかが好きなただのヲタクです。
基本マイナー思考でマイナー嗜好。
好きなものには全力です。
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